1997年に発売された3rdアルバム”OK Computer”が世界中で絶賛され、世界ツアーを敢行したレディオヘッドのドキュメンタリー映画。
最初はテンション高めだったメンバーが世界中でインタビューを受けまくり、祭り上げられて、どんどんうんざりしていく過程を描くというダークな内容である。他のロックバンドであれば残念な展開だが、このバンドに限っては現実世界に嫌悪を抱くその姿に存在意義があるため、あまり問題ではない。資本主義の原理に従い産業化された音楽業界や、マスメディアに洗脳された軽薄な一般大衆が悪いのだ。そんな状況への軽侮を込めた皮肉がこのフィルムのタイトルになっている。
だがまあ、そういう巨大な敵に文句を言っていればいいというスタンスも90年代に特有なものだったんだろうな、というのが今観てみた感想。トム・ヨークの声は格好いいが、振る舞いはただの陰気でこじれたオタクだ。イケてない日本の都市の風景も含め、貴重な一つの時代の資料になっている。
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