作者のルーツへの回帰は一層加速し、物語の舞台は日本の地方都市へ。
1999年の仙台(がモデルの架空の街・杜王町)に住むジョセフ・ジョースターの隠し子の東方仗助(ひがしかたじょうすけ)が主人公。時代錯誤のツッパリスタイルだが根は優しい愛すべき馬鹿、というジャンプ黄金時代の王道を行くキャラクターである(cf. 前田太尊、桜木花道、浦飯幽助)。必然として、1990年頃に流行ったツッパリヤンキー漫画のコメディテイストが漂い、漫画家・岸部露伴を筆頭に敵味方問わず愛すべき変人が多数登場し、しっかり人間讃歌している。
作者の解説にある通り、第4部の主題は”街”。前半の日常パートも新鮮だが、後半になって登場する猟奇殺人鬼・吉良吉影が現れてからのサイコ・サスペンスな展開が圧巻。次々現れる敵のスタンドとのバトルを軸に、SF要素あり、繊細な心理描写ありで、旺盛なサービス精神全開で楽しませてくれる。
しかし富樫義博作品への影響が強いな、というのが何度も浮かんだ所感。とりわけハンターハンターへの影響が色濃い。ボマーとか。