レオナルド・ディカプリオ主演の映画の原作。主人公(原作者)は背の低いユダヤ人であるという点が映画と異なるが、あとは大体映画で忠実に再現されている通り。
証券会社を立ち上げ、合法すれすれで(実際にはかなり非合法な方法で)荒稼ぎした金でドラッグとセックスを派手に堪能する、という大変不道徳な話だが、第一線で働く金融家の思考回路を知るためには大変有意義な手記である。訳者の解説では半分くらいは誇張している可能性が高いそうだが、その辺も含めて頭脳と口車で金を稼ぐ種類の人間の行動様式なんだろう。
最低なことばかりしているが、親子の愛情が残っているあたり違和感が残る部分でもあり、ぎりぎりの部分で残されたリアルな人間の本質なんだろうと思う。坂口安吾『堕落論』と合わせて読みたい。