目も口も無い、絵の具の染みに人格とストーリーを与えた絵本。
あおくんはきいろちゃんと仲良しで。
じゃれあって、混ざって、みどりになって。
いろいろな場所で遊んで、涙になって、元に戻る。
作者が孫のために即興で作った物語が元になっているらしい。
言葉を解さない子供が読んでも、近づいては離れて、混ざり合っては散らばる、色彩のイメージが残る。
それはきっと、無作為な遊びが生んだ、私心のない喜びに満ちた、優しい祈り。
想像するための余白があるのがよい。
大人になって読み直して、その真意を理解して、いっそう愛おしくなる。
そんな一冊になって欲しい。