『チェンソーマン』の作者の読み切り漫画。
2021年9月発売の単行本をDollyで読了。
藤子不二雄の『まんが道』、デスノートの作者の『バクマン。』のような、漫画家の漫画である。地方都市の小学校に通う女子二人が、学級新聞の漫画掲載が縁で互いを知り、協力して漫画を描くようになり、そして、、、という話である。
読み切りだが、143ページと長め。前半は一つの道に打ち込む少女たちの成長物語、後半の展開は実際の事件(京アニの事件)を材に取っており、胸に重くのしかかる。後半のやや突飛で面食らうような心象風景の描写も、変に言葉で説明しすぎないあたりセンスが良い。初読で分からなくても、少し考えれば意味はわかる。言葉にできない関係性や成長過程の、儚さや美しさを描く漫画である。
そして、成長途上の主人公たちの過程を全て描くことができるプロの漫画家の技量って凄いな、と気付かされる。画力、構成力、キャラクター造形など、これぞプロという凄みを感じる。漫画家を目指すすべての若者に読んで欲しい。