2013年5月29日水曜日

REM



 映画『リアル~完全なる首長竜の日~』主題歌。

 『ニシエヒガシエ』『フェイク』『ロックンロールは生きている』『過去と未来と更新する男』に連なる系譜。テクノサウンドを駆使して純度の高いロックを追求した最新形。

 ファンクラブ会報の桜井和寿インタビューに曰く「ポール・マッカートニー&ウィングスのLive and Let Dieをフーファイターズがコピーしたような感じ」だそう。

 理屈じゃない格好よさ。
 「AとBにXYZも交差するよ…」のくだりが好き。
 不条理で心地よい境地に辿り着いた、その感じ。

 Dang! Ding! Dong!
 Dang! Ding! Dong!
 

2013年5月26日日曜日

永沢君



 「永沢君」がフィーチャーされるちびまるこちゃんのスピンオフ。
 スクールカースト下位の中学生男子の日常。

 陰湿な永沢、卑怯な藤木、愚鈍な小川の会話がメイン。
 なんかジメジメしている。
 それぞれが自分の運命を受け入れ、葛藤から諦観へと至る軌跡が活写される。
 一言で言えば思春期。

 不良の平井君に殴られるシーンに作者の新境地を感じる。
 りぼん時代より、ニヒルでシュールな方向へ進化している。
   

2013年5月24日金曜日

スプライトシュピーゲル


 オイレンシュピーゲルと同時並行で生み出された作品。こっちの三人は飛べる。そして、縦の序列をもつ姉妹。

 前半はそうでもなかったが、最終巻まで読むとこっちの方が面白かった。ライトノベルの枠組で書かれているけれど、信じ難いレベルで膨大な情報が融合。国際社会の現代史について勉強したくなる。エンターテイメントしているからこそ、感覚がしっかりと読み手に残る。

 マルドゥックシリーズや天地明察に比肩する圧倒的なクオリティをもったシリーズ。
  

2013年5月11日土曜日

時計仕掛けのオレンジ



 1971の公開時から見た近未来の寓話。
 残忍で狡猾な青年アレックスは暴力とポルノで退屈を紛らわして暮らしている。

 『雨に唄えば』の挿入歌を口ずさみながら暴行を加えるシーン。
 強制的に目を見開かせる洗脳装置。
 鮮烈な印象を残す場面が多いが、クラシックや電子音楽の使い方が特に格好いい。

 近未来のファッションセンスはなんかちょっと惜しい。
 サイケデリックなヒッピー文化の根強い影響を感じる。

 主演俳優マルコム・マクダウェルの酷薄な顔つきが見事。
 その表情や振る舞いにテーマの大部分が顕現していると言ってもよい。
  

2013年5月5日日曜日

2001年宇宙の旅


 1968年公開当時、相当な衝撃を世間に与えたことが想像される。

 導入部の人類の黎明期から、宇宙旅行への転換。
 モノリスの奇妙な存在感。
 暴走する巨大コンピュータと人間。
 極彩色の時空間ワープ移動の描写。
 音楽と映像美の融合。象徴的な場面の数々。
 しっかり芸術している感がある。

 他のキューブリック作品と同様、登場人物の言葉による説明は少なく、象徴的な映像で語る部分が多い。
 含意ががあってそうしているのであろうが、緩慢で冗長なカットが多く、観ていて結構ダルい。
 終盤は抽象的過ぎて初見では意味不明。
 「意味わかんねえよ」と思いつつも、観賞後の感覚としてはそんなに嫌いではない。

 ライブアライブのSF篇の元ネタはこれだったんだな、というのが一番印象的。
    

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