橋下徹の組織マネジメント論。2019年5月刊行。
組織のリーダー論であると同時に、政治家・橋下徹の物語でもある。2008年に38歳の若さで大阪府知事となり、その後、2011年に42歳で大阪市長に転身。政治家や役所組織の経験はなく、完全にアウェーな状況下で巨大組織(大阪府庁は10000人、大阪市役所は38000人)の長となった彼は、いかにして結果を出していったか。その経験を振り返って抽出した方法論である。
平易な言葉で語られ、コンパクトなボリュームにまとめられているが、その戦いの凄まじさが随所から感じられる。膨大で難解な情報に日々晒され、凄まじい圧力が全方向からかかる中で、立ち止まることなく難しい決断を下していく、その心のありようと知的鍛錬の方法については、本当に勉強になる。医師としてもプラスになるが、いかなる業種の人であっても得るところがあろうだろう。
彼には再び政治家になって、日本を救ってほしい。この本に書いてある内容を実行できる度胸、胆力、知性のある人間が、どれだけ稀有であることか。