2015年10月12日月曜日

ジョジョの奇妙な冒険 Part 3 スターダストクルセイダース


 日本人が主人公、というのがまずはポイント。
 ジョジョの第三部が連載された1989年頃というのは、それまで『アルプスの少女ハイジ』や『母をたずねて三千里』などでヨーロッパが舞台の物語を描いていた宮崎駿と高畑勲が「日本への恩返しのため」とトトロと火垂るの墓を作ったのと同時期である。戦後教育で欧米への憧憬と引け目を植えつけられた作者(荒木飛呂彦)の世代が日本を再発見するという、戦後の物語制作史の必然とも言えるちょっとしたシンクロニシティ(共時制:奇妙な事実の符号)を感じる。第一部ではイギリスの貴族文化、第二部のアメリカンにやんちゃする若者像を経て、西欧を舞台にした伝奇物語の文脈が日本で流行中のツッパリ不良文化に出逢い、空条承太郎が生まれた。日本代表の承太郎がエジプトを目指し、オリエントな情緒立ち込める異国の旅を続ける。

 そして、勿論スタンド。
 第三部より登場するスタンドはその後ジョジョの代名詞とも言える戦闘システムになる。話が進むにつれ初期設定が破綻していく気がするが、可視化された精神戦を勢いで楽しむのが吉。深く考えずに、最後は「オラオラ!」でスカッとすれば良い。

 後世への影響。
 幽々白書の仙水篇は影響受け過ぎだ。

 作風等。
 劇画な絵柄で過剰な程のギャグを盛り込む、という路線を見出し、少年誌の王道パターンの一つを確立したよう。承太郎とディオ以外、ポルナレフを筆頭に大体みんな三枚目に落ち着いていく。アブドゥルの変遷たるや。

 まとめ。
 承太郎が最高に格好いい。やれやれだ。
   

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