人間は消滅しない。ぼくらは、それを語る者のなかに流れ続ける川のようなものだ。人という存在はすべて、物理的肉体であると同時に語り継がれる物語でもある。スネークの、メリルの、ここに集う兵士ひとりひとりの物語を誰かが語り続けるかぎり、ここにいる誰ひとりとして消えてしまうことはない。
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早逝した天才SF作家、伊藤計劃が書いたメタルギアソリッド4のノベライズ。ソリッド・スネーク最後の戦いについてオタコンが語り手となって独白する形式をとっている。
コアなファンの熱意が生んだ集大成、という感。あとがきからも並々成らぬ決意が伝わってくる。
「人が他者の物語を語り継ぐことの意味」が作者の想定したテーマらしい。あらゆる人の書いた物語がそうであるように、オタコンに仮託した作者の切実な想いがつまっている。
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