2016年4月22日金曜日

シャッターアイランド


 マルホランド・ドライブ級の謎解きを期待したらそうでもなかった。マーティン・スコセッシ×レオナルド・ディカプリオ映画その2。以下の内容は若干のネタバレ要素があるので注意。

 1954年アメリカ、断崖に囲まれた孤島に建てられた精神疾患のある犯罪者を収容する施設にFBIの保安官である主人公とその相棒が乗り込み、消えた囚人(であり、患者でもある)レイチェルの捜査を開始するが、奇妙な出来事が次々と起こり…という筋。

 幻覚、心的外傷、否認など主人公の精神医学的な異常は序盤からあからさまで、真相は中盤あたりで大方見当がつく。精神病圏か、精神作用物質か、神経症圏(解離性障害)か、という診断を考えながら観ていたが、最終的な説明はちょっと残念。精神分析が隆盛だった時代のパラダイムの解釈である(時代と場所を考えるとある意味適切だが)。

 制作にかけられた手間ひまを考えるとチープな観賞後感。多分、精神医学に関する科学的考証が足りない。そこが気になるとミステリーとして堪能できない。つまり、完成度が今イチ。
   

0 件のコメント:

コメントを投稿

ブログ アーカイブ