【国内篇】より断然こっちが面白い。
SFマガジン700号記念のアンソロジーの海外編。
ジョージ・R・R・マーティン『夜明けとともに霧は沈み』:異星開発と情緒の破壊の話。不可知が生む神聖性と喪失。
ラリイ・ニーヴン『ホール・マン』:火星の探査員のサイコホラー。
グレッグ・イーガン『対称(シンメトリー)』:宇宙が舞台のハードSF。難解だが、哲学的洞察を要求するイーガン節が楽しい。
コニー・ウィリス『ポータルズ・ノンストップ』:アメリカSF界の長老へ捧げたトリビュート。肩の力が抜けていて、愛がある。
テッド・チャン『息吹』:異世界の住人の淡々とした独白の中で構築される世界。じわりと来るカタルシス。
アーサー・C・クラーク、イアン・マクドナルドのはよく分からなかった。ジェイムズ・ティプトリー・Jrはちょっと自分の趣味には合わない気がしてきている。いずれにせよ、いろんな作家に出会うチャンスがあるのがアンソロジーのいいところだと思う。そういう観点から見ると、やはり海外編が圧勝。
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