2014年11月27日木曜日

魍魎の匣


 京極夏彦マジでやべえな、、、と読みながら思った姑獲鳥の夏に続く百鬼夜行シリーズ2作目。

 バラバラ殺人、密室での被害者消失、新興宗教や奇妙な研究所で起きた事件が複雑に絡み合う重層的な構造であり、刑事、探偵、文士、そして博覧強記の古本屋『京極堂』らお馴染みのメンバーらの人間模様も味わえる贅沢な作り。そして、その一つ一つの構成要素が蠱惑的な上に、全体として精緻に組み合わさったミステリ小説として完成しており、読んでいてぐいぐい引き込まれる。文庫版の解説にもある通り、娯楽作品として圧倒的に豊穰なのである。

 文庫本で1050ページの重厚な長編作品だが、読んでいてずっと熱中していた。グロテスクな嗜虐性、知的興奮、謎解きの興趣、悲恋や喪失のヒューマンドラマ、全てが同時に楽しめる。オカルト全般や犯罪の動機などに関する京極堂の考察も示唆に富んでいる。

 是非、シリーズの続きが読みたい。
  

0 件のコメント:

コメントを投稿

ブログ アーカイブ