『桜の森の満開の下』
蒙昧な男と放埒な美人。
美と狂気。色欲と嗜虐。
幻想的なムード。
桜は人を狂わせる。
『白痴』
堕落論で論じたテーマを小説に。
豚小屋、淫売、白痴、醜聞。
退廃と肉欲が渦巻く、掃き溜めのような団地の戦時下の一幕。
焼夷弾と火の海。
散乱する死骸、逃げ惑う衆生、訪れる朝の静寂。
美への憧憬と堕落による禊ぎ。
こっちの方が好きかな。
闇と底辺を知って初めて、人は至高への道筋を得る。
腐臭の漂うグチャグチャの中に、本当のロックが潜んでる。
綺麗事ばかりじゃ、弱り切った心を救えない。
この人の主張はシンプルで一貫している。
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