2013年2月10日日曜日

堕落論


 諸般の事情があり、いい機会だったので読んでみた。

 下ネタがエゲツない人ってしばしば人間の真理をつくいいこと言うなあ、と思うことが多かったが、その理論的基盤はここにあったのか。


 桜井和寿、村上龍、今東光、西原理恵子、ユリウス・カエサル、スティーブ・ジョブズ古くはルカの福音書の放蕩息子の話、近年では文士にロックスターに落語家。最近は小池龍之介がいいこと言うと思っている。

 闇屋、浪人、遊女、異形者。社会規範に馴染めず、落ちぶれ、あぶれた、落伍者には人間の本質が見える。一度堕ちきって、文明が生んだ余計な介在物を取っ払って、それから見える単純な真実がある。それが救済へと至る道だと、安吾は言う。

 つまり、行き詰まったらクソ野郎になれよ、っていう教えの書。
  

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