2020年12月7日月曜日

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編


 2020年12月現在、社会現象となっている話題の映画を観に行ってきた。

 2020年10月16日公開作品。


 内容は単行本の7巻、8巻に所収のエピソードを忠実に再現したもの。鬼殺隊の指令を受け、炭治郎らが鬼が出るという電車に乗り込み、隊の精鋭である炎柱(えんばしら)の煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)と共に戦う。制作はTVアニメ版と同じufotable。


 やはり鬼滅は、アニメーション動画で観るのが楽しい。夢の世界の描写や戦闘シーンなど、漫画よりも格段にわかりやすく、見映えがする。少年の心が熱くなるのは勿論だが、大人が観ていても作画の美しさ、迫力や躍動感に引き込まれる。テンポや演出など、くどさがなく、適量をわきまえており、観ていてストレスがないのもいい。


 そして、内容。これは男、煉獄杏寿郎の映画である。漢字の漢と書いてよむ「おとこ」である。本作だけ観ても彼の生い立ちや行動原理について理解でき、その生き様に心を打たれる。何故、強くなったのか。何のために戦うのか。戦後教育で骨抜きにされる前の日本の男の美学が凝縮している感がある。潔さがあり、愛があり、情熱があるのだ。


 現在、日本中の小学生男子のロールモデルは男気あふれる煉獄さんと、慈愛に満ちた炭治郎になっているのは間違いない。親が子供に見せたくない要素があまりない良質なコンテンツなので、こういう社会現象はいいものだと思う。ブームに乗っかるのが楽しい、という一体感を久々に体感できるのも新鮮だ(しばらく「こういう感じ」がなかったことにも気づかされる)。コロナ禍で社会が混乱し、疲弊した2020年、人々の心に光を与える素晴らしい作品だったと思う。心を燃やせ。

  

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