知らない間に始まっていたIWGP のセカンドシーズンの1作目。
単行本は2014年発売。読んだのは文庫版。
収録された4編はいずれも2013年の雑誌掲載が初出で、当時話題になった社会問題ネタが扱われる(危険ドラッグ、パチンコ依存、ノマドワーキングスペース、在日外国人へのヘイトスピーチ)。
第2シーズンになったが、良くも悪くもIWGP節は健在で、読者が期待した展開は裏切られない。池袋の街に暮らす人々が、変わりゆく時代の中で人為的な事件に翻弄される。マイノリティーへの温かい視線を注ぎ、アンダーグラウンドな世界が見え隠れし、ロマンスを重視する。既視感のある展開ばかりだが、読者もそれを求めているので特に問題はないんだろう。
左寄りな視点を含め、感性が全体にちょっと古くなっている感じはあるが、自分が小説家になったら、こういうシリーズは手元に残しておきたいと思う。いつでも書けるし、ネタにも困らない。そして、自身の見解を世界に発信しつつ、金を生み出していくという。そういう作品であることを確認できた。
あまり残るものはないが、読んで後悔ということも特にない。
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