読書好きの同年代のロシア人に勧められた本。「現代ロシアで最も支持される作家の代表作」という宣伝文句にも後押しされたんだったか。ヴィクトル・ペレーヴィン著。原作は1999年発刊。日本語訳は2014年発刊。
難しすぎてよく分からんかった、というのが正直な感想。舞台は1990年代、ソヴィエト崩壊後の混乱の最中にあったロシアで、主人公の青年タタールスキィが広告会社で働くことになり…という話である。共産主義に生きていた人間が資本主義的活動の最たるものである広告宣伝の仕事をする…というところに面白みがあるわけだが、ソビエト社会の細部にわたる予備知識がないと深くは楽しめないのではないかと思われる。
日本語として読みづらく、悪文という気がするが、訳がまずいというより、ロシア語自体がこんなノリの言語なのではないかと思われる。厳めしく衒学的な語り口でエグいジョークをかまし、冷徹に笑う。そんなロシア人の精神構造が垣間見えた気がする。膨大な情報量と、シニカルな批評精神の横溢。
21世紀のロシア精神への理解はまだ遠いな、と思わされた1冊。マジで分からんかった。
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