2019年7月20日土曜日

7年目


 認知革命以降は、ホモ・サピエンスの発展を説明する主要な手段として、歴史的な物語(ナラティブ)が生物学の理論に取って代わる。キリスト教の台頭あるいはフランス革命を理解するには、遺伝子やホルモン、生命体の相互作用を把握するだけでは足りない。考えやイメージ、空想の相互作用も考慮に入れる必要があるのだ。
ユヴァル・ノア・ハラリ 『サピエンス全史』 p55

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 このブログの筆者である私は、ふだん精神科医の仕事をしている。基本的には医学的知識に基づいて診断や治療方針について判断するわけだが、精神医学という領域の特殊性として、患者の精神世界を適切に把握し評価する必要がある。だがしかし、例えば元暴走族のとび職のおっちゃんや、漁村の集落の人間関係に悩むおばあちゃんの精神活動の正常と異常の境目について、すべての精神医療者が適切な判断ができるのだろうか。勉強ばっかりしてきた温室育ちのお坊ちゃんお嬢ちゃんにはわからない力動が、この世界にはたくさんある。そうした、人間の心を理解しようとする試みの限界の自覚が、このブログを続ける動機の一つにはある。物語を読むことで知ることができるのは、自分以外の誰かの人生である。

 良質な物語は、苦しむ人の心を救うためのツールでもある。人生に思い悩み、現実世界の残酷さや退屈さに打ちひしがれ、蝕まれる心に活力や希望を与えてくれるのは、良質な物語である。私にとってもそうだったし、世界中の多くの人にとってもそうだろう。

 これらの話は以前にも繰り返し書いてきたので、もう少し前に進める。
 「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である」という二宮尊徳の言葉がある。このブログ(この研究会)の理念や目標については、過去に書いてきた通りだ。作りたいのは「物語のセレクトショップ」であり、店舗として具象化されたカフェである。何らかの方法で収益を上げることが持続可能性となり、ピュアな理念や目標をリアライズ(現実化)する。ではその「方法」とは何か。

 私が今考えているのはクラウドファンディングとアフィリエイトである。
 クラウドファンディングによりカフェの開始資金を集める…というのはこのブログの内容を武器に本気を出せば実現可能だとは思っているが、今の私にやり方を勉強したり、それらのリスクに対処する時間的余裕がないため、後者のアフィリエイトを考えている。

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 というわけで、少しブログをカスタマイズし、TwitterやAmazonアソシエイトと連動し、広告活動とマネタイズの要素も徐々に取り入れていきたいと思います。

 精神の健康、人生の充実、世界の平和と繁栄。
 それらに必要なのは、良質な物語である。
 そんな物語に出会える場所を作るための活動。

 それを、もう少し続けていきます。

 最近寂しいのでコメントも待ってます。

(追記:Twitterはhttps://twitter.com/narrativemasterAmazonアソシエイトは投稿記事の下の方に随時追加予定
(追記2:Amazonアソシエイトが承認してくれなかったので収益化はしばらくお預け
  

4 件のコメント:

  1. 見てるよ。
    参考にもさせてもらってます。
    末永く続けてください。

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  2. 小説は人の心が分かる唯一な手法ですよね。
    精神科医の仕事で人情の機微が分かるとやはり、患者さんの薬を出したり出来るんですか?
    素朴な疑問ですけど。
    僕は小説を書きたいし、人の心が分かる人間でありたいです。

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    1. 見知らぬ方
      コメントありがとうございます。
      唯一な手法かはともかく、小説は人の心の理解が深まる手法でしょうね。読む側も、書く側も。
      人情の機微の理解で、出す薬は変わります。
      正常な反応と病的な反応を見分け、必要に応じて薬を使い分けます。

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  3. もんち
    長らく返信できずごめん。
    ブラウザ不都合でした。
    会合またやりましょう。

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