ヤバい女と壊れた男の話。1992年作品。
サイコパスな妖女はシャロン・ストーン、傷つき酒と女に溺れる刑事はマイケル・ダグラスが演じる。頽廃的な性愛と狂気の匂いが全編を覆い、大変反社会的で観ていて楽しい。『ゴーンガール』のようなサイコホラーの空気が近いが、本筋は真犯人を追うミステリー。
精神分析が盛んだった時期のアメリカの世界観が底にある。近い時期の作品『羊達の沈黙』や『真実の行方』の根底にもある人間観、「誰しも心の奥底には危ない衝動や醜い欲望を抱いている」という一過性に流行したパラダイムの影響が見て取れる。2010年代の今となっては、それがあまり一般的な人間の性質ではないと世界中のクリエイターが感じているのか、この手のサイコパスの話が減った気がする(『ゴーンガール』とかあるが)。
妖しく危険な90年代の大人の娯楽映画というところか。
特に深いテーマはない…と思う。
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