2015年6月20日土曜日

GTO


 前作『湘南純愛組』で名を馳せた元暴走族の鬼塚英吉がGreat Teacher Onizukaとなって教育現場で暴れまくる学園もの。全25巻の漫画原作を電子ブックで15年ぶりくらいに再読。

 大変インモラルな発言や暴力シーンや性の描写が溢れ、少年漫画としてはかなり不適切だと思うが、それらがキツ目のスパイスとなって刺激と味わいを生むのもまた事実。宮藤官九郎のドラマのように浴びせられる固有名詞の連射が慣れると楽しい。

 大人になって再読すると、知識が表層的なことが多いのと、一般の教員や高学歴者への強い怨念が気になる。血尿を知ったのは中学生の時に読んだこの漫画だったが、心理的ストレスで出るのは医学的に正しいのか今でも分からない。

 そして、核心となる元2年4組(もとよん)の秘密を引っ張りすぎた感あり。あと10巻くらい短いといい感じにまとまって良かったような気がするが、人気作品だったのでしょうがなかったんだろうか。中盤以降は心的外傷(トラウマ)のバーゲンセールっぽくなる点がしっくりこない原因だと思う。IQ200の神崎の話くらいで丁度いい気が。

 ざっくりまとめると「王道の学園ストーリー」+「セックス&バイオレンス」+「宮藤官九郎的ギャグ」+「ヤンキーの理想」という感じ。学歴社会と管理体制を憎み、侠気と友情を重んじる。中高生の娯楽としてはいい感じだったかもしれない。

 一番面白いのは警官冴島の日常だと思う。
   

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