2015年5月6日水曜日

海を失った男


 幻想的な作風のSF作家シオドア・スタージョンの短編集。

 手に対する偏執狂的な愛着の話『ビアンカの手』、内分泌異常により生まれた超人的な天才の話『成熟』が面白い。精神病患者の『音楽』、プラトニックな愛への理想を描く寓話『三の法則』もいい。初見で意味が分からなかった表題作『海を失った男』は一度読んで構成を理解できると好きになった。映画『潜水服は蝶の夢を見る』を想起した。

 センス・オブ・ワンダー(不思議な感じ)に満ちた佳作が多い。
 純粋に物語としての面白さ。最近はこういうのが好き。
   

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