ミリオンダラーベイビー
人生に傷ついた大人たちが戦う話。
経営が苦しいボクシングジムを経営する無骨な名トレーナー(クリント・イーストウッド、兼監督)、タイトルマッチの試合で失明し虚しく余生を生きる老ボクサー(モーガン・フリーマン)の元に突如現れた30代の女性(ヒラリー・スワンク)がジムでの指導を志願する。周囲の反対を振り切り、貪欲にトレーニングをこなす主人公のひたむきな姿に感化され、傷つき疲れた老兵のような男達が笑顔を取り戻し、、、という筋。
余計な説明や描写がなく、言葉よりも間と行動に語らせる。人生に輝きを与える栄光と、陰を落とす喪失や不遇が淡々と、容赦なく、現れる。そんな中で、どのような生き方を選ぶか。クリント・イーストウッド映画に通底する、理不尽な世に生きる個人の態度(attitude)という主題が、言葉少なながら雄弁に語られる。
観ると魂に深みが出るように思う。アカデミー作品賞も納得のいい映画。
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