世界の終りとハードボイルドワンダーランド
The 村上春樹の小説という感じだった。
つまり「自己完結型のニヒルで几帳面な主人公が、洒脱な英語圏の固有名詞が溢れる世界で、よく意味のわからん冒険をするのが、不思議な比喩と露骨な性描写を織り交ぜて滑らかな美しい日本語で語られる」という作品。
意味が分からないが、美しいっちゃあ美しい。
芸術作品としてはいい感じなのかもしれない。
『世界の終わり』のパートは幻想的なファンタジー、『ハードボイルドワンダーランド』のパートはスパイ映画のようなロマンスとサスペンス。そういう雰囲気が味わえる。
村上春樹作品というものはシネフィル(映画狂)にとってのタランティーノ映画みたいに、膨大な名作小説を読み込んだ読書フリークにはたまらない記号が溢れているのかもしれない。
今のところ長編で一番面白かったのは『ねじまき鳥クロニクル』だったな、というのが感想。
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