現存する漫画で最も面白いものの一つ。
異論は無いはず。
少年漫画の誕生以来、培い、育んできた「面白さ」を抽出して精製した作品である。
念能力は全ての少年漫画の特殊能力を一元的に解説できる概念。
幻影旅団、グリードアイランド、キメラアント...etc.
どれも純度の高い、これまで誰も見たことのないような境地の戦いを見せてくれる。
キャラクターの造型も魅力。
登場する悪い奴が本当に悪い。
いい奴にも強いクセや味があり、薄っぺらくない。
新刊にはミスチルのblood orangeと同じ匂いを感じる。
両者とも震災の影響を受けている。
制作者自身も何を表現すべきか分からなくて。
戸惑いの中、希望を求めて、その「祈り」の欠片が断片的に配置されているような感じ。
絵柄もその影響下にあって。
過剰にも見える子供っぽさと、大人の冷徹さが同居する。
理解されることを拒むような難解さがあるけど、驚くくらい単純なテーマを書いてたりする。
祈りの断章。
なんだか、そんな感じで。
もっと続きが読みたい。
富樫の感性こそがこの国の宝。
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