2020年10月10日土曜日

七つの会議


 2019年の日本映画。AmazonのPrime Videoで視聴。
 東京建電という企業が舞台の会社ドラマ。

 完全に池井戸潤&TBS節(ぶし)という風情で、全体に半沢直樹の既視感がある。舞台は東京中央銀行ではなく中堅電機メーカーだが、撮影しているのが同じ建物であり、及川光博、香川照之、片岡愛之助などが出てくる。侠気をもって組織と戦うヒーローは堺雅人ではなく、野村萬斎が演じている。

 腐敗した組織と対峙した個人が筋を通す、という展開は定番で、予想を裏切らない。特記すべき点として、エンドロールで日本企業の病理に関して考察する主人公の独白は面白かった。企業≒幕府や藩であり、所属や肩書きが強い意味を持つ組織人としてのメンタリティは日本人の心情に刻み込まれているのだろう。それゆえに、このような形で体制と闘う個人のドラマが日本独自のエンターテインメントとして成り立つ。

 お約束の感がある展開は、わかっちゃいても面白かった。これぞ大衆娯楽。

   

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