2019年1月20日日曜日

多動日記(一) 「健康と平和」 -欧州編-


 これはかなりのヒット。かつてハイパーメディアクリエーターを自称し、多動という己の特性を40代後半になって自覚したという高城剛の旅行エッセイ。2017年6月発行。

 同じ場所に3日とおらず、ひたすら国から国へと移動する途中で考えたことが記録されている。時期が明記されているのを見つけられなかったが、内容、発売時期から2016年8月から10月にかけての記録と思われる。

 面白さは読めばわかるが、圧倒的なキレとドライブ感といおうか、最新のデジタルデヴァイスを駆使しながら旅行を楽しみ、経済、政治、歴史、健康、文化などジャンルにとらわれず深く鋭い洞察を行い続ける。イスタンブールから始まり、東欧、イタリア、イギリス、スペインと移動しながら日本の制度上の問題や巡る地域の強みと弱みを分析する。

 旅しながら己の肉体を通して得た体験と深い知識の融合が生み出す達見は、現代版のジム・ロジャースという感がある。こんな人間になりたい、と久々に思えた読書体験だった。しばらく彼の表現活動をフォローしようと思う。来たる時代への適応のあり方を教えてくれるし、何より楽しそうだ
   

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