2016年5月15日日曜日

ジョジョの奇妙な冒険 Part 6 ストーンオーシャン


 シリーズ初の女性主人公が刑務所を脱獄する話。

 特筆すべきは空条承太郎の存在感。主人公の徐倫(ジョリーン)の父親として登場し、決して登場場面が多いわけではないが、そのワンシーンワンシーンが圧倒的に格好いい。知性と品位が漂い、本当に強い男に宿る優しさがある。すれ違いながらも互いを想う父と娘の絆もいい。第四部でもそうだったが、シリーズの最重要人物であるのは間違いない。

 筆者個人の好みの問題として、絵柄は好きだが設定は好きじゃないというジョジョ全般に当てはまる傾向を確認。音楽やファッションブランドからとった人物やスタンドの名前(エルメェス、フーファイターズ…etc.)とか、衒学的な科学理論の援用の仕方は、なんというか、理解の浅さが透けて見えるせいか、垢抜けない感じがして好きになれない。文庫の表紙や巻頭のカラーなど、絵柄は最強に格好いいと思うんだが。

 ジョジョワールドは独特の世界観を持つ一つの文化であり、教養として持っていると多くの人との会話が弾むんだろう、とは思う。一部から六部まで通読した感想として、筆者個人的にはあんまりのめり込める作品ではないと実感したが、シリーズ全体から溢れるある種の豊穰さは感じた。説明臭さや作者の作為を隠しきれないあたりが難点。でもまあその辺の粗雑さが魅力ともいえるので何とも言えないか。今度誰かに意見を聞いてみたい。
   

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