2016年1月11日月曜日

わたしの日々


 昨年末に逝去した水木しげるが93歳で連載していたエッセイ漫画。フィリピンで従軍した戦時中の話の回想や、少年時代の思い出、老人として生きる日常ネタが主で、1回4ページで隔週だった連載がカラーで読める。

 感想を一言で言うと、最高だった。昨今の漫画の登場人物は皆、容姿が整い過ぎているのであまり好きになれないことが多いが、氏の漫画にはそういう、美化した理想に逃避せざるを得ない脆弱な自己像を感じない。恬然としている、というか、揺るぎない自然体なのである。よく寝て、屁をこいて、おたおたして、呑気に生きる。そこに疑問すら抱かない。怠惰にみえる無気力な生き方さえも、幼少期から蓄えた豊かな文化的素養と壮絶な戦時体験を経て辿り着いた達観だと思うと、圧倒的な含蓄がある。

 難しい理屈なんてこねず、こういう風に生きたい。
 素晴らしい人生だった。合掌。
   

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