2015年8月15日土曜日

銭ゲバ


 拝金主義への風刺漫画。

 主人公・蒲郡風太郎(がまごおりふうたろう)は、醜い容姿を持ち、幼少期より貧しい家庭に育った。貧困の中で家庭は荒み、父親の暴力を受け、母を病気で失い、やがて、復讐心を燃やし、金儲けに固執するようになる。人を殺め、裏切り、人の道を外れた汚い手段を使ってのし上がっていこうとする。

 はっきりいって、内容に特別な深みはない。筋は明快で分かりやすい。金儲けにかまけ、人間としての情を失う、古典的な人間性喪失の話。筋立てには時代背景の影響もあるだろう(高度経済成長期の1970年頃に掲載)。

 無駄に理屈をこねないので読みやすい。が、ちょっと物足りなくもある。
 良くも悪くもオリジナルな古典という感じ。
   

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