2015年8月15日土曜日

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?


 名匠フィリップ・Kディックの哲学的な近未来SFの古典。1968年の作品。文庫版の表紙が格好いい。

 放射性物質で地球が汚染された近未来、主人公リックは人間社会に紛れ込んだヒト型機械(アンドロイド)を破壊することで懸賞金を稼いで生計を立てている。そんな彼に最新のネクサス6型のアンドロイドの抹殺の依頼が入り、、、という話。

 人 vs. 機械という単純なアクション活劇だけではなく、作り込まれた世界観が本作品の魅力。情調(ムード)オルガン、機械仕掛けの動物を飼い生身の動物に憧れる人々、マーサー教とエンパシーボックス、アンドロイドの人間性、、、などの舞台装置が示唆する隠喩は豊かで、読み込んだディープなPKDファン同士の議論に花が咲くのは容易に想像できる。

 まさに金字塔という感じがする。読んで損なし。
   

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