2016年7月19日火曜日

パンドラ ザ・イエロー・モンキー PUNCH DRUNKARD TOUR THE MOVIE


 1998年から1999年に行われた1年で113本の公演という破格のライブツアーを追ったドキュメンタリー映画。

 その道中は過酷で、それぞれプライベートの問題に直面したり、スタッフが不幸な事故に見舞われるなど、苦しい時期が何度もあり、バンドメンバーが目に見えて疲弊してくる。格好いいライブシーンは挿入されるが、その裏側にあるロックバンドのみっともなさ、しんどさが伝わってくる。フジロックでフーファイターズやレッドホットチリペッパーズに挟まれて劣等感に苦しむ吉井和哉の表情がリアル。

 筆者はバスケットボールをやっていたことや、医療現場で働いていることもあり、チーム・ケミストリー(構成員同士の化学反応)を意識してこうしたロックバンドなどのドキュメンタリーを観ることが多いが、このメンバーは理想的だ。イエローモンキーは劣等感のバンドで、そこには惨めさを受け入れて生きることを選んだ人間の諦めと、情けなさと、愛がある。そんな価値観を共有したスタッフが一丸となり、過酷な道を駆け抜けて行く。

 挿入されるボーリングのシーンがいい感じにライブツアーのメタファーになっている。バンド解散のきっかけになったとも言われる苦しい期間だったが、後年になって酒を飲みながら楽しく思い出話に浸れる、そういう体験だったのだ。

 こういうチームで、命を注ぎ込み、誰にも真似できない輝きを生み出した期間があるということ。それがきっとロックスターの本懐。羨ましや。
   

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