2020年5月11日月曜日

硫黄島からの手紙


 大東亜戦争(第二次世界大戦)末期の硫黄島での戦いを描く「硫黄島プロジェクト」の日本版。2006年作品。

 99%日本の戦争映画という風情だが、クリント・イーストウッドが監督したアメリカ映画であるという事実に恐れ入る。役者は皆日本人で、栗林忠道中将を演じる渡辺謙、一兵卒の二宮和徳(ARASHI)、加瀬亮や、井原剛志など、配役はまさしく適材適所の感がある。演出のくどくなさ、展開のテンポの良さがイーストウッド節で、観ていてストレスがなく、最小限の装飾が底流にある骨太の哲学を際立たせる。

 世間はコロナ禍の真っ只中だが、この戦時中の生活の悲惨さを見れば、この程度で文句を垂れるなど、どれほど甘いのかに気づかされる。戦争という圧倒的な人間性の否定と、その中で輝きを放つヒトの命の尊さが見て取れる。月並みな感想だが、そんな感じだ。
   

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