2017年4月16日日曜日

機動警察パトレイバー 劇場版


 しばしば伊藤計劃がエッセイで言及するのが気になっていたため、前情報なしでhuluで視聴。1989年作品。

 舞台は1999年、東京。警視庁の管轄下でレイバーと呼ばれる巨大ロボットが労働力として活用された世界。警察にもレイバー専門の部隊(特車二課)がいて、主人公はその部隊の人達。

 監督は押井守。登場人物たちの衒学的で冗長な語り口が鼻につくが、内容を理解できると脳内に快楽物質が分泌してきて、ハマる気持ちもわかる。『攻殻機動隊』へと連なる理系男子の楽園といえよう。犯人のプロファイルを甘くして象徴にとどめ、意図を作中で説明しすぎないのもセンスがいい。

 主題はコンピュータによる制御された管理社会のリスク、都市社会が生み出す怨恨と都市へ向けられた破壊欲求、あたり。無差別な大規模テロの実行犯の話である。2010年代の今観ると既視感のあるテーマではあるが、それでも面白かった。理論的基盤、キャラクターともに設定がしっかりしているせいか興ざめするシーンは特になかった。

 全体として満足。
 そして、次は2へ。
   

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