2016年9月6日火曜日

点と線


 感想:今イチ。

 社会派ミステリーの古典として名高い本作は昭和32年(1957)に連載された松本清張の推理小説である。北九州で発見された男女の死体の捜査で不審な点が見つかり、若い刑事が同日北海道へと出張していた容疑者のアリバイトリックに挑む…という筋。

 きっと後進の作家達に鮮烈なインスピレーションを与え、多くの模倣品(『火曜サスペンス』劇場とか)が世に氾濫した時代を生きた筆者から見ているせいだろう。既視感のある筋立て、登場人物、舞台装置がお約束どおりに進んでいくという印象が終止湧き起こり、推理小説の定型となる様式美を学習しているような気分になった。肝腎のトリック(あるいは真相)が割とツッコミどころが多いのも純粋に楽しめなかった要因であると思う。

 昭和30年代を生きる人々の思考および生活の様式がどのようなものであったか、というところが読んでいて面白かった。デジタルな記録がない時代の警察は大変だということと、昭和の日本人の不合理と人情が印象的だった。
   

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