2016年8月8日月曜日

クローズ


 ここに来て初めて読んだヤンキー漫画の定番。単行本で全26巻を一気読み。

 主人公の坊屋春道は桜木花道に似ている。金髪≒赤髪がトレードマーク、喧嘩最強の自由人、バカで女にはモテないが男たちには不思議と人望がある。春道を「秘密兵器」と言って誤摩化すオマージュと思しきシーン(作者がファンを公言しているのでパクリってことはないと思う)もあり両者の印象が被るが、連載開始はほぼ同時(1990年)であり、ヤンキー(不良)が流行っていた時代ゆえのシンクロニシティと思われる。

 読んでいて気になるのは筋立ての粗さ。なんというか、盛り上がりに欠けて終わる章やあまり立ってないキャラ多し。それでも、先行作品の模倣でない、オリジナリティゆえの味と思えば好感。

 あとは、とにかく美人を描かない。というか噂話以外に女が全く存在しない。一回も台詞がなかったような気もする。興味が無いのか、意図的に避けているのか。結果として恋愛が絡まないため、喧嘩と任侠道に焦点が定まり主題が分かりやすい。でもたぶん、作者が女を描くのが単に苦手だったんだろうと思う。

 ここまで書いてみて、すっきりした作風で質の高い娯楽作品という気がしてきた。何より、坊屋春道のファッションやキメ顔が格好いい。喧嘩が最強で友達思い、誰よりも自由な「最高の男」。その活躍を見るだけで楽しい。

 難しく考えずに楽しめる。少年漫画ってこんなもんでいいな。
   

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