2015年11月23日月曜日

め組の大吾


 スポ根系成長物語な消防士の漫画。

 御都合主義が強く、突っ込み所は沢山あるが面白かった。見ていて気恥ずかしくなるような主人公の純粋さ、普段は嫌な奴だがいざという場面で頼りになる好敵手、など、サンデーの少年漫画の様式美や哲学が凝縮されている。

 正直、主人公の朝比奈大吾はやり過ぎで、現職の消防士が読むと失笑や怒りが抑えられないんじゃないかと推察される。しかし、危機察知能力と機転に長け、リスクを恐れず暴走しながら成果を挙げる型破りな天才に振り回される周囲との軋轢や葛藤など、人情の機微がうまく描けており、純粋に王道の娯楽として面白い。少年漫画だしこれくらい分かりやすくていい気もする。

 ミームは伝達する。五味所長から大吾、大吾から甘粕士郎や落合先生へ。
 人から人へと波及する勇気や情熱が、読む人の心を動かす。
 単純に読んでいて楽しい佳作だった。
      

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