2014年10月8日水曜日

火星年代記


 火星を舞台に生きる様々な人々が描かれた小品を並べた連作集。改訂版では2030年~2050年代の年代記になっている。(改定前は1999年からスタート)

 前書きで作者も語っているが、インスピレーションの導くままに書いたぶつ切りの作品を並べると、意想外に整合性のある不思議な年代記ができた、という感じ。最初は若干混乱するが、読み続けると幻想的で示唆に富んだ物語世界に引き込まれていき、読後感はなかなかいい。

 個人的にベストに挙げるほどではないが、SFの巨匠レイ・ブラッドベリの代表作ということで、読んでおいて損はない作品だと思う。神話のように不条理で、古典的名作のオーラがある。筆者個人としてはフィリップ・K・ディックカート・ヴォネガットの方が好き。
   

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