2015年9月21日月曜日

旅のラゴス


 一人の男が異世界を旅する様子が淡々と綴られる話。

 筆者が最初に感じたのは、ドラクエやFFのようなゲームで親しんだ世界観の原型という感じ。1986年に発行された話だが、当時スクエアやエニックスに居たゲーム制作者達へ多大なインスピレーションを与えたのかと勝手に想像。スカシウマやミドリウシという架空の動物、読心や集団転移という特殊能力、知性と良識を備えた落ち着き払った主人公などの舞台装置や、場面の描写やストーリー展開から、初期の日本のRPG特有のあの空気が作中にプンプン香る。

 読んで何を得られるというわけじゃないが、異世界の冒険気分をサクッと味わえる。そこそこに期待して読んでもそれなりに応えてくれる。大御所・筒井康隆の作品を読んだのは初めてだったが、評判も納得の高品質。

 誰が読んでもそれなりに面白いファンタジー、って感じ
   

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