2013年11月29日金曜日

あおくんときいろちゃん


 目も口も無い、絵の具の染みに人格とストーリーを与えた絵本。

 あおくんはきいろちゃんと仲良しで。
 じゃれあって、混ざって、みどりになって。
 いろいろな場所で遊んで、涙になって、元に戻る。

 作者が孫のために即興で作った物語が元になっているらしい。
 言葉を解さない子供が読んでも、近づいては離れて、混ざり合っては散らばる、色彩のイメージが残る。
 それはきっと、無作為な遊びが生んだ、私心のない喜びに満ちた、優しい祈り。
 想像するための余白があるのがよい。

 大人になって読み直して、その真意を理解して、いっそう愛おしくなる。
 そんな一冊になって欲しい。
  

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