2021年12月27日月曜日

司法試験予備試験 完全攻略本


 LEC東京リーガルマインドより出版。同社講師の柴田 孝之が著者。
 2014年(平成26年)発行。

 諸事情により司法試験に挑むことにしたので、その戦略策定にあたり、1冊で全体像が把握できそうな本書の電子書籍版をジャケ買い(タイトルで選んで購入)した。

 内容は期待通り。500ページ超とボリュームが多いが、概ね必要十分で満足できた。大学の法学部もロースクールも関係のない素人が、予備試験ルートで司法試験合格に挑むまでのイメージが掴める。前半は試験制度の解説、法律学習の概要、学習のコツと注意点と来て、ラストに旧司法試験と予備試験ルートの新司法試験の2人分の合格体験記がついている。これを一冊読めば、司法試験の戦いに挑むための準備は整った、という気分にさせてくれるだろう。実際、特に質の悪い部分は思いつかない。著者の(予備校講師然とした)軽妙な語り口が人を選ぶくらいだろうか。

 司法試験の受験は物語である。厳しい試験であり、多くの人が人生を賭けて挑み、様々なドラマが生まれる。本書は単なる資格受験の指南書のようでありながら、描かれなかった膨大な数の人々の辛苦が宿り、威厳を与えるように思う。読んで身が引き締まるとともに、自分の頭脳ひとつで人生を変えようという、大学の医学部受験に似た情熱を思い起こさせた。

 いつかどこかで語るかもしれないが、10年間このブログを書き続けたのは、司法試験に挑むための下準備だったような気がしている。試験勉強の日常や所感を記録する別のブログを始めたので、興味がある読者はそちらを参照されたい(リンク)。
   

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