2019年6月10日月曜日

サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福


 世界中で絶賛されているイスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリが書く人類の通史。原作は2014年、日本語版は2016年発刊。

 2000年代最強の本がジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』であれば、2010年代最強の本は本書であろう。高城剛が絶賛していたので手に取った本書だが、期待に違わず知的刺激に満ちていて、読んでいてずっと楽しかった。該博な知識と透徹した洞察で人類の歴史を広く深く俯瞰し、マクロな視点で歴史の流れの本質を指摘する。

 「虚構を信じる能力が人類の強さ」という主張が、このブログが目指すものと重なり、なかなか感慨深かった。ヒトは物語を共有することで、連帯を可能にし、生物としての個体の限界を超えたパフォーマンスを可能にする。貨幣も、言語も、法律も、国家も、人類の頭の中のみに存在するイリュージョン(幻想)に過ぎない。

 また読み返す価値のある本だろう。素晴らしかった。
   

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