2018年1月18日木曜日

ヨットクラブ


 サイコホラーな感じの短編集。デイヴィッド・イーリイ著。
 原作は1960年代の作品だが、日本語版は2003年初出。

 日常の延長に潜む狂気を描くブラックユーモアな作品多し。有閑階級の秘密を描く表題作の『ヨットクラブ』が傑出しているが、万能人な宇宙飛行士の破局を描く『カウントダウン』もいい。他、市井を生きる人々の偏執、パラノイア、逸脱などを主題にした作品が並ぶ。

 こういう毒の要素があると人に対する洞察力に深みが出るように思う。個人的にけっこう好きな路線である。
   

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