2017年4月13日木曜日

桐島、部活やめるってよ


 高校生のスクールカーストの話だと聞いていたが、実際読んでみたらその通りスクールカーストの話だった。関西のそれなりの進学校と思われる高校で、様々な層の視点が切り替わり高校という場を描く群像劇。

 目立って騒ぐ脱童貞を果たしているイケメン、吹奏楽部の女の子、映画撮影に情熱を燃やすイケてない男子、など。バレー部のキャプテンを務めていたのに中途退部したという桐島は象徴的な存在で、様々な距離感から見える彼の像は焦点を結ばず、近いようで遠い同年代の心情の理解不能性を浮き彫りにしている(と思う)。

 筆者は動物行動学の観点から、最近は何でもかんでも人が集まれば順位制ができるという視点で世の中をみるんだが、その機運にハマって、楽しかった。ヒトは社会的地位を気にする生き物である。そして、誰にだってその人なりの悩みがある。
   

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