アメリカの片田舎で暮らす家族の物語。1993年作品。
まず何より知的障害者の弟を演じるレオナルド・ディカプリオの演技力が圧巻。表情から指先まで、発声方法から全身の動作まで、天真爛漫な白痴の青年を完璧に再現している。あとは主人公ギルバート・グレイプを演じるジョニー・デップの表情や佇まいが後の堂本剛に影響を与えたということがよくわかった。
内容は良質な人間ドラマ。さびれた田舎町で垢抜けない暮しをする人々、大型量販店におびやかされる小売りの食品店、青年と不倫する有閑の主婦、過食し引きこもる母、精神遅滞の弟、反抗的な妹、そして、心を押し殺して生きる主人公。道でトレーラーを待つシーンや家族が暮らす家の変化に宿るメタファーもいい。控えめな表現の底にシンプルで味わい深いテーマを感じ、観ていて心が動く。
今年観た映画では今のところベスト。じわりとくる、いい映画だ。
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