北海道警察に実在した人物をモデルに映画化した2016年作品。去年読んだ北海道新聞の本(『真実 新聞が警察に跪いた日』)にも登場する汚職警官と警察の組織犯罪の話である。
悪漢たちの物語だが、内容が事実に基づくというのが恐ろしい。警察組織はメンツのために現場にノルマを課し、現場の刑事達は成果のために情報を求め裏社会の人間との交流し、やがて堕落していく。組織の腐敗と構成員の堕落。これを書いている2017年2月時点でも道警の回答は十分でなく、真相の多くは闇に葬られたままである。
演技は綾野剛の演技がピカイチ。しょぼいルーキー、イケイケの兄貴、落ち目の無頼漢、など演技の幅の広さと存在感で他を寄せ付けない。共演のピエール瀧や中村獅童もかすむほどである。映像的には、小道具や人々が生み出す昭和の札幌の空気の再現度がいい。
社会に問題提起する意欲作であり、悪漢達の盛衰を描く娯楽作品でもあり、大変クオリティの高い作品。…にもかかわらず、世間にあまり知られていないのは広告会社のプロモーションの仕方が悪い、というのが妻の意見。広告会社が警察に喧嘩を売って睨まれると業務上の支障をきたすからあえてズレた方向にしたのはないか、というのが上記の本を読んだ私の意見。
とりあえず、北海道民は観ておいた方がいい。真っ黒な社会の現実。
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