カナダの映画評論家である作者の息子が高校をドロップアウトし、学校教育を放棄する代わりにの週に3本映画を観て感想を語り合う…という3年間を過ごした記録。
上映前には父親から作品についての解説があり、古今東西の映画の蘊蓄が個人的な思い入れたっぷりに語られ、観賞後の息子の反応に一喜一憂する。並行して、父と子それぞれの実生活の中で、性愛、職探し、自己実現など、生々しい現実の問題に直面し、葛藤したり傷ついたりする様が感傷を交えて叙情的に綴られる。そうして子は成長し、父子の関係も成熟していく。
個人的にはかなり好みで、今年のベスト候補。自分の子供が人生に行き詰まったら是非これをやりたい。週に3回、好きな映画を共に観て、語り合う。情緒教育として、文化的な教養として、家族の関係構築として、最上の手段の一つであるように思う。
ちゃんと勉強して、映画を沢山観たくなる。愛が溢れている本。
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