昨日発売の8年ぶりの宇多田ヒカルのニューアルバム。
iTunesで購入し、当直中に聴いている。
1998年に15歳でデビューしたHikkiも今や33歳。「人間活動に専念するため」と宣言して活動休止を宣言したのが2010年、それから母親の死を乗り越え、イタリア人の男性と再婚し、男児が生まれ、子育てを経て、2016年のこの作品に至る。
正直、筆者は宇多田ヒカルの熱心なファンではなく、世間で流行っていた2000年頃の熱狂を共有できたわけではなかった。それでも、きっかけは忘れたが最近なぜか気になっており、Twitterでフォローしたりして、人間・宇多田ヒカルの人間性に魅かれていた。頭が良くて、誠実で、愛がある、こういうタイプが好きなのである。人間の脆さや醜さを知り、悲しみを受け止めた上で、歓びを享受し、光明を求めようとする。言うなれば菩薩系女子。(プロモーション用の企画『#ヒカルパイセンに聞け!』で人生観が分かる)
そして、このアルバム。なんとなく全編に死の匂いが漂う。音楽的には過剰な装飾がなく、すっきりして聴きやすい。歌詞は日本語主体で、言葉も分かりやすい。様々な体験を経て、無駄なものが削がれ、洗練された感じ。懐かしいのに新しい。ミスチルのReflectionに抱いた感覚に近い気がする。#3 花束を君に、#8 荒野の狼、が現時点ではお気に入り。
生の苦しみを知り、諦めを経て、愛がある。
こういうのが好きです。