2015年2月28日土曜日

悪魔の手毬唄


 感想:金田一少年の事件簿っぽい。

 考えてみれば当然だがオリジナルと派生の関係が逆で、筆者世代が慣れ親しんだ金田一少年の”ジッちゃん”である金田一耕助が猟奇的な事件に巻き込まれ解決に挑むシリーズ。今回観たのは監督市川崑、主演石坂浩二の1977年の映画版。

 猟奇的な連続殺人、手毬唄の歌詞との見立て、奇妙な閉鎖社会、謎解きと推理、残酷さとコメディタッチが入れ替わりに現れる構成、俗物の警部とすっとぼけた探偵という構図、といった”金田一少年の事件簿”の大部分の構成要素の元ネタはこれだったのかと納得。完成された定型の妙味を受け継ぎ、漫画作品として蘇らせたのが筆者世代が親しんだあの漫画だったのだと理解した。

 舞台は昭和27年、岡山の山村で起きる連続殺人事件の話。平成に活躍する金田一少年の祖父の話だと思って観るとなかなか感慨深いものがある。現代っ子には日本語の聞き取りと鑑賞しながらの人間関係の整理がきついが、不気味な空気が漂う映像や人間味溢れる掛け合いが観ていて飽きさせない。

 次は”犬神家”をチェックしたい。
   

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