2012年7月29日日曜日

GIANT KILLING


 一番面白いと思うサッカー漫画。

 「チームの在り方」というか、組織のマネイジメントがテーマ。ファンがいて、チームスタッフがいて、選手がいて、監督がいて、老いも若きも、せっかちものんびり屋も、それぞれ背負っているストーリーがある。それら人間同士の複雑な化学反応の結果がチームの勝敗となって現れる。そんなチームケミストリーの妙を一番分かってるのが監督の達海。バスケやってる頃に読みたかったなーといつも思う。

 絵柄もいいセンス。
 ブサイクな顔の人も楽しそうに生きているのがよい。
    

2012年7月28日土曜日

伝奇集




長大な作品をものするのは、数分間で語り尽くせる着想を500ペーにわたって展開するのは、 労のみ多くて功少ない狂気の沙汰である。よりましな方法は、それらの書物がすでに存在すると見せて、要約や注釈を差し出すことだ。

・・・

 架空の人物の評伝や書評など、衒学的なもの言いで自信たっぷりに虚構を語る作品集。
 レムの『完全な真空』の原型らしい。(まだ読んでない)
 筆者が大学卒業時に書いた偽史の着想を得た本のひとつでもある。

 バベルの図書館
 宇宙の何処かにある無限回廊の話。
 本一冊分のアルファベットのあらゆる配列が載った本がある図書館。
 無限の文字の組合わせがあれば、過去や未来の全てを記述したページももちろんある。

 八岐の園
 初めて読んでも筋を理解できなかった。
 オチを知ってから読み直して知る神がかったプロット。

 南米の作家の本をもっと読みたい。不条理で幻想的なやつ。
    

2012年7月22日日曜日

自殺島


——聞いたことがあるネットの中で噂になってた年々増えている自殺者その費用が国で支えきれなくなってだから切り捨てることにしたんだ…島流しにして確か…こう呼ばれていた——”自殺島”って

・・・

 という島に送られた人たちの話。
 副題はサバイバル極限ドラマ。

 内にこもりがちないじめられっ子がストリートファイターになるのがホーリーランドだったが、本作では同じ人が狩人になる。両作に共通する主題は身体感覚を通した人間性の回復。食べ物を手に入れることや、他人と協力して仕事をすることで「生きること自体の喜び」を再確認する。前者に関してはヘミングウェイの掌編『2つの心臓の大きな川』が近い。

 で、一方で順調に人間性が堕落していく人たちが居て、しばしば反目したりする。蟻の2:6:2の原理みたいなもんか。これぞ集団力動。ご都合主義な展開にツッコミたくなる場面もあるが、狩猟や漁のシーンのリアリティは圧巻。

 読むとサバイバルしたくなる衝動に駆られるため、バーベキューが筆者のマイブームである。
   

2012年7月20日金曜日

ナラティブ研究会について





 学生時代に作ったサークルなんですが、ブログにしてみました。
 良質な小説、漫画、映画などに関する情報を共有できる場所を作る、というのが主な活動目的です。

 ナラティブというのは、英和辞書によると

  narrative/nǽrətiv/
   名詞  1 事実経験に基づく)話, 物語, 談話. 
       2  物語本, (朗読による)物語文学. 
       3 語ること, 叙述すること
   形容詞 1  物語から成る, 物語体の;〈美術作品が〉物語を表現している
       2  物語の.

 つまり、ストーリーがあれば何でもありということ。

 個人的に偏愛する物語をただひたすら紹介していく予定です。