2021年12月24日より公開中。
映画の内容は原作に忠実で、単行本で読んでいたが、あらためて映像で観直すと発見がある。乙骨憂太は、90年代から2000年代にかけてよく見たタイプの主人公だ。弱くてナヨっている少年が、場数を踏んで少しずつ成長していく。エヴァのシンジ君的でもあり、『からくりサーカス』の才賀勝あたりが近い。
本編連載前にできたプロトタイプである本作を観ると、作者の芥見下々の頭の中にあった「描きたい絵」の原型を見ることができる。本編の方が設定、キャラクターなど練られている感じがするが、これはこれで映画一本分の小品として収まりがいい。
全体に完成度が高かったが、戦闘シーンの作画、キングヌーの主題歌などが特によかった。心を揺さぶる力は『無限列車』の方が上ではある。だがまあ、観といてよかったと思えた。いい作品だと思う。
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